2017.05.02

社協負担金を見逃しで通す

1年ぶりの相馬地区社会福祉協議会推進委員会に出席しました。
特別な案件もなく1時間もたたずに終わりましたが、おかげさまで今年度からの社会福祉協議会負担金の任意徴収は何のおとがめもなく実施となります。

元はと言えば、社会福祉関連法の中で社会福祉協議会について規定されているのですが、それによれば社協に負担金を納めるかどうかは各戸の賛同に任されており、わが相馬地区や隣の岩木地区で行われている毎戸強制徴収というのは例外的な方法となります。
これが、社協会費では旧市内が300円なのに対し両地区は1000円と割高な会費が合併時から継続しており、社協支部に人員を残すために続けられているといわざるを得ない状況ですが、これに関しては昨年の場で会費の多寡で配置が決まっているのではないという言質を得ています。
その社協負担金として扱っているものには、社協会費の他に赤い羽根・歳末助け合い・赤十字の合計4つで2,100円となりますが、たとえば相馬地区では赤い羽根共同募金で約40万円を納め続けているのに対して、1,600万円を集めている弘前市には850万円の助成がされている中で、相馬地区で行われた事業はあるのかと質問したところ、それに関してはないという回答でした。
負担率としては市よりも若干高いにもかかわらず、その負担に見合う形で助成を受けられないというのでは、これこそ合併のひずみが現れていると言うほかありません。
こういったことをふまえて、昨年中に理事会で話し合い、3月の総会で議決を行って、4月の町会費徴収の際に加入の可否を確認してありますので、7月の社協会費納入で社協側に現実を突きつけることになります。
その際には一悶着あると予想が立ちますが、そのことが相馬の他地区に波紋を呼んで、それぞれの地区でも社協負担金について考える機会になればと思っています。

そもそも、こういった会費納入のことばかりでなく、社協は地域の中でどういった活動をして貢献していくべきなのか、再考すべき時期にきていると思いますし、これは地域福祉で大きな役割を担っている民生委員にも言えることだと思っています。
戦前戦後を通じて地域を支えてきた仕組みを、もう一度自分たちの生活に引きつけて考え直し、これからの人口減少社会でも生かしていける制度に再構築していくべきだと考えています。

2016.07.27

【時評】相模原事件と通底するもの

昨日未明に発生した相模原市の知的障がい者福祉施設における入所者に対する大量殺傷事件には言葉を失うばかりですが、まずは亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
私も福祉の世界に身を置いてきた者であり、知的障がいの人たちと接する機会もありますので、今回の犯人の行動は許せませんし、なぜ今年に入ってから障がい者抹殺を口にするようになったのか理解もできませんが、この事件をつくづく考えてみると、今行われているあることと同じなのではないかと思えてきました。

それは、出生前診断です。
言うまでもなく、妊娠した胎児の遺伝子を調べて異常の有無をさぐり、場合によっては中絶するかどうかを選ぶ仕組みですが、診断が実施されてから1年経った2014年の記事によれば、検査を受けた7,740人のうち陽性が確定した113人中110組が中絶を選んだところから、今年の記事ではすでに3万人を超える検査が行われ、やはり陽性とされた約9割が中絶を選択したとのことです。
まだ戸籍に載る前の胎児とすでに成人となる人生を送ってきた人たちを同列で比べることはどうかと思いますが、1時間のうちに19人も殺されるのには言語道断の大合唱でも、平穏無事な日常社会の陰では1年間で5倍以上の障がい児が生まれることもなく消されているのです。
この110組の親たちは、このあと自分たちに降りかかってくるリスクを恐れて中絶したのは疑いようのない事実であり、残り3組の親たちのようにたとえ先天的な異常があっても個性と受け入れて育てていくことを放棄したわけで、そこに苦渋の決断やさまざまな理由があるとは言え、結果としては「抹殺」したのです。
この件に関しては、診断開始前の世論調査で賛成が約48%に対して反対は約3割ととどまっているように、現在の日本では障がい児を授かることを避けたいとする方が多いのだそうで、抹殺という意識はないままに障がい者のいない社会になればよいと思っているというのは恐ろしいことだと思います。

それではおまえならどうするのかと反論されそうですが、私なら出生前診断を受けることはしませんし、そもそも保険が効かずに約20万円も費用がかかるようなことをできるはずおありません。
そもそも、染色体異常がなかったとしても、原因が特定できない形で発達障がいを持って生まれる子ども、出産時のトラブルでマヒを背負ってしまう子ども、さらには生活環境などのために精神障がいを発現してしまう場合もあり、その子が障がいを持たずに人生を送れるかどうか、わかるはずもないのです。
それからしても、染色体異常のみを検査するというのはおかしなことであり、仮に知的障がいを持って生まれてきたとしても誕生を祝い、その成長を周りが見守っていく社会にすることの方が大事だと思うのです。

それだけに、殺傷された入所者には一緒に暮らしてきた家族があり、それを支えるはずの職員だった者が裏切るという最悪の結末となった事件を心に刻んで、この社会が障がいを受け入れる覚悟を改めて持つことを望みます。

2016.05.09

合併10年で見直すべきこと

今日は、相馬地区社協推進委員会が開催され、町会長として出席してきました。
例年は粛々と終わるのですが、今回は相馬地区の社協負担金のことを私が持ち出して、一悶着の形になりました。

相馬地区と岩木地区は社協負担金が一戸あたり1000円で還元率85%、これに対して旧市内は300円で還元率50%で、これが合併以来10年間変わらずにきています。つまり、市社協に納める額は同じ150円で、地区での活動のために700円多く納めているわけです。
これは、10年前の合併にあたって、一律の負担金とするよう求める声もあったものの、岩木・相馬ではこれまでどおりの活動が継続できるよう違うままになったということでしたので、当時の町村社協をそれぞれ支部として存続させるためのことだと思っていました。
今回、それをふまえた質問をしたところ、会長の代理で出席していた高橋常務理事からは、支部の人件費として高い負担金にしているわけではなく、地区の独自事業の継続のために高い負担金としているので、これを改めるかどうかは地区にかかっていることだということでした。
ということは、負担額を切り下げたとしても、支部の人員を引き上げるかどうかは社協の考え方一つということになるのがハッキリしただけに、今後の推進委員会理事会でどのような議論となるか、注視していきたいと思います。

この、岩木・相馬地区だけ違う補助となっているものには体育協会もあり、市内では地区体協に補助金などないのに対し、相馬地区では体協運営と地区体育祭への補助金が合併以降も続いています。
そもそも、町会連合会の事務局を支所民生課が所管していること自体が、他地区からすればあり得ないことを続けているわけですし、ここから見直していかなければ、いつまでたっても一体感のある地域づくりになっていくはずがありません。

ひるがえって、社協という組織について考えてみると、運営の大部分は市からの補助金でまかなわれているにもかかわらず、市民には活動が見えにくいのが実情ですし、昨年の3月でヘルパー事業所が赤字を抱えたまま閉鎖となったように、殿様商売だったのは否めません。
それでも、相馬地区では市内よりも高い負担金でありながら町会を通じて毎戸から強制的に徴収するのが続いており、最近の町会やPTAなどの参加義務の先には社協負担金の問題が出てくると思うだけに、わが昴町会では昨年来強制徴収から任意徴収に切り替えるための話し合いを重ねています。
今日の場では活動が見えないと批判したものの、私個人としては社協の存在意義を理解していますし、これまでのご縁がありますから負担金を納めるつもりですが、法令では納める必要のない負担金をどれだけの人が納めてくれるのか心配はあります。

帰り際に、顧問として出席していた最後の村長・良衛さんが「いいところに切りこんだ」とほめてくれましたが、合併10年で見直していくべきこと、制度そのものを変えていく必要があること、今の立場からできることはやらなければならないのが私の責任です。

2016.02.13

iPadの可能性を知る

青森成長塾が終わってから、県民福祉プラザで開催される憲法フォーラムに向かったのですが、同じ会場で県主催の視覚・聴覚障がい者に教えるiPad人財育成講座交流会がはじまるところで、楽しそうな雰囲気につられてついつい参加してしまいました。
活動の中心にいる高森三樹さんとは、5年ほど前からの知り合いで、以前からこの講座を開催しているのは知っていたのですが、これまでご縁がなかっただけに、これ幸いと思ったわけです。

最初に高森さんから今年度の活動報告があり、青森・弘前での人財育成講座、八戸・青森・五所川原などでのステップアップ講座を開催したほか、事業者向けの簡易講習会、ICT利活用推進フォーラムでのブース展示、さらには全国各地での講習会に、視覚障がい者とカラオケに行ったり読書会を開いたりと、まさに八面六臂の活躍をしているのがよくわかりました。
続いて、これまでサポーターを務めてくれた青森公立大の学生たちに感謝状贈呈を行い、改めてiPadのアクセシビリティをおさらいして、グループに分かれての意見交換会となりました。
私たちのグループには障がいを持った方はいませんでしたので、健常な立場からの意見となりましたが、せっかく講座を受講しても引き続き活動する形になっていないことで組織化していく必要や、障がいを持った方のために検索などでサポートすることもできるという役割の果たし方、一方では実習にモデルで参加した障がい者が次回も同じレベルで習熟していないことについて金銭的なハードルとレクチャーを受ける機会の不足があるという現実も見えてきただけに、こういう交流会の開催を増やすとか公立大だけでなく県内三市の大学に核となる人材を育てるといった意見が出されました。
これらの意見を受けて、情報システム課では来年度からの活動の参考にぜひしたいということでしたし、直接障がい者と向き合う障害福祉課などにも活動内容をフィードバックしていくということでしたので、参加者から出ていた県の本気度が感じられるまとめとなりました。

ところで、私もiPadを使う立場ですが、アクセシビリティについてはまったく使うことのない身であり、ボイスオーバーや色の反転、ズームアップ(これらは、設定>一般>アクセシビリティと進むと設定ができますので、お試しください)などが標準装備されているだけでも驚きですが、標準アプリのメモのマイクボタンを押して使う音声認識の正確さは刮目すべきものがあり、これが数万円で入手できるようになったというのは、隔世の感があります。
実際に障がいを持っている方でも使いこなしている友人が少なからずいるのですが、ここまでできるようになったiPadであれば、より多くの人たちに使ってもらいたいものだと思います。

高森さんとは、来年度の講座での再会を約束しましたが、弘前・八戸で活動している方とも知り合うことができ、この参加が次につながる気がしています。

2016.02.02

成長塾に里帰り

現在は若山経営のお世話になっている私ですが、その若山さんと出会ったのは今日と同じ会場で2006年9月から6回にわたって人事制度構築に取り組んだ「人事塾」でした。
その後の公認講師研修でも一緒したことが今回のご縁となったわけですが、私が現場から離れている間に、社名が多摩研からENTOENTOに変わり、研修そのものも成長塾となっていましたが、今回の青森成長塾ブラッシュアップ研修で久しぶりに松本順市先生と再会することになりました。

県内外から12名が受講し、二日間にわたる研修でしたが、さすがに現場に導入しているメンバーが参加しているだけあって、評価の基準を示して今後の成長につなげる成長シートについての具体的な質問が相次ぎ、まさにブラッシュアップの場となっていました。
この中では、唯一経営者でも評価者でもない私からすれば、まさに浦島太郎の状況でしたが、話が進む中で意を決して介護業界の矛盾について発言しました。
それは、3年に一度しか介護報酬の改定がなく、さらには今期のようにマイナス改定まで行われる介護保険制度にしばられているこの業界は、現状のままの組織では昇給させていくと財政的に行きづまるのが目に見えていて、これを打開するにはどうすればいいか、ということでした。
これに対する松本先生の回答は、制度以外で華やかな服装や身だしなみを提供するというオプションで増収することでしたが、よい介護を行って介護度が改善したら報酬が下がるというのではやっていけるはずがないと喝破されて、根本的な対策はないということでした。

介護保険という国の制度だけに、一事業所や業界で動けば何とかなるというものではありませんが、総体としては増大していく一方で、個別の単価は下がっていくという矛盾を、どのように乗り越えていけばいいのか、考えても解決することではありません。
参謀という立場をいただいて介護事業所の経営支援にかかわっている立場からすれば、人事制度を構築する余裕があるのはわずかばかりで、その日その日のやりくりに追われ賞与もままならないのが大部分の事業所であり、とても40年後の人生設計を描くどころか、1年後に同じところで働いていられるのか保証もなく、理想と現実のギャップの大きさに愕然とせざるをえません。
それでも、少しでも希望を見つけて取り組んでいくことを捨てるわけにはいきませんし、同じ思いの事業所を支援していくのが私の役割だと思い定めて、やっていくしかありません。

この二日間で、その励ましを松本先生や参加の皆さんからいただきましたので、改めてがんばろうと思います。

2016.01.28

富士子さんから学ぶ

中南地区高P連研修会があり、基調講演が三上富士子さんだというので、興味津々そして虎視眈々と参加しました。
富士子さんは、長らく知的障がい者施設に勤めた社会福祉士ですが、一般社団法人「あおい森ネット」を設立し、成年後見人としてだけでなく、2014年から尾上総合高校でのスクールソーシャルワーカー=SSWとして活躍しています。
以前は同じ社会福祉法人の評議員として席を並べ、近年では「あおい森ネット」が主管した市民後見人養成研修を受講してお世話になったばかりでなく、神奈川県内でSSWとして活躍している芦田正博さんが来弘した際には一緒に会食したこともあり、SSWへのきっかけを作った自負があるだけに、現在の活動ぶりには大いに関心がありました。

基調講演では、大学受験に失敗して偶然施設に就職したところから福祉の世界に入り、2011年の東日本大震災の直前に経営者との行き違いがあって退職を決意して「あおい森ネット」を設立したのだそうで、突然の退職の裏にはそんなことがあったんだと得心しました。
最初に出会った二人の障がい者とのかかわりを語り、そこから子どもは親を選べないこと、高齢者に比べると少年を守る制度がないことを訴えて、やり直しができる社会、助けてと言える社会にする必要性を語っていましたが、これは今取り組んでいる相談で身につまされていることであり、その奥には声すら上げられないで引きこもっている人たちがいるのを痛感しているだけに、まったく同感しました。
SSWとしては2014年6月から県内の高校には3人配置された中の一人なのだそうで、週3日6時間勤務についているのですが、これまで配置されているカウンセラーだと生徒に対するマンツーマンでのケアであるのに対し、SSWは子どもだけでなく親にも寄りそう必要がある場合が多いだけに、親と先生の間に入る立場でかかわっているそうです。
他校からの相談もあるそうですが、高校以上に小中学校にこそ配置が必要だと思っていたので二次会で聞いてみると、それはそのとおりだとうなずいていました。
90分間の熱い語りにつられて質問が続き時間が押してしまうほどでしたが、その際にも分科会の席でも発達障がいの子を持つ参加者からの発言があり、思った以上に存在している現実と、それを受けとめながら親として向き合っている強さに胸を打たれる思いでした。

それにしても、成年後見や介護保険などの高齢者にかかわる支援は手広くあるものの、少年から成年になる時期には制度そのものが足りず、それを受けとめる社会的包摂につながるセーフティネットが用意されていないのが現実だけに、福祉の先にある支援を制度化していく必要を改めて思いました。
制度の中でがんばっている富士子さんを見るにつけ、制度の外にいる私もがんばらなければと思います。

2015.10.20

介護の漂泊者(アウトロー)からのエール

先日は障がい者差別というテーマから福祉の世界に戻ってみましたが、今回は盛岡市に本拠を持ち最近弘前市にも進出してきた福祉用具貸与などを業態とするサンメディカル社主催の研修会に参加し、今回の改正から2年半後の次期改正を見すえた介護保険制度について、久々に最前線の情報にふれてみました。
講演は、シルバー産業新聞の橋川記者による厚生労働省の内側に食いこんだ最新の情勢、そして元弘大医学部保健学科准教授で現在は埼玉県春日部市・介護環境研究所代表兼株式会社バリオンの金沢善智代表取締役による医療・介護連携と認知症への効果的なアプローチでしたが、今は社長でも私にとっては介護保険法施行以前の相馬村住宅改修制度立ち上げからはじまって現日本介護支援専門員協会会長である木村隆次さんと3人で医療保健福祉の垣根を越えた勉強会を主催した仲である金沢先生に再会できたのは、何よりうれしいことでした。
また、会場にも旧知の介護支援専門員や同じ職場で苦労してくれた顔もあり、この世界こそ自らのホームグラウンドであるのを改めて感じました。

お二人の講演の内容はこちらのメモから参照していただくとして、要点としては今回の改正でも十分打撃であるのに2年半後の改正では要介護2以下は市町村による地域支援事業、軽度者の福祉用具などは全額自己負担、さらに安倍総理の無知蒙昧な介護離職ゼロ方針で特養建設が進めば地域包括ケアとの矛盾が生じるといった、お先真っ暗の話題ばかりでした。
これに対して、サンメディカルの責任者の方からは、ここに参加している皆さんで力を合わせて声を上げていきましょうというまとめがありましたが、介護保険制度の方針を決める社会保障審議会分科会には木村さんをはじめとして職能・施設団体からの代表も加わっているにもかかわらず制度は複雑怪奇で生活無視の方向へ進む一方ですし、自民党よりは山井和則さんをはじめとして福祉介護の専門家が多い民主党政権時代でもよくなることがなかったのを見れば、霞ヶ関主導の岩盤の最たるものだけに、そんな簡単なことで変わるとは思いません。

それは、介護がいまだに国民的問題と映っていないからだと思います。
65歳以上で介護保険の対象となっているのは約20%であり、残り8割は医療のお世話にはなっていても介護には縁がなかったり、心臓発作や脳出血で急死というのが現状でして、これからしてもまだまだ介護が国民全体にかかわることだと受けとめられないのは理解していただけると思います。
私にしても、5年現場から離れて後期高齢者となった親と絶縁している立場からすれば、まったく介護を身近に考える必要もありませんでしたし、多くの皆さんも必要になったときにはじめてどこに相談すればいいのか悩むのが普通の流れですから、いずれ自分もかかわる問題だと思われていないのは間違いありません。
それでも、介護が必要になった場合はしっかりとしたサービスが整っているのが望ましいことですし、それが成り立つ財源や制度が構築されるべきですが、これまで5回の改正においても改悪と言いたくなるようなことが重ねられても、国民からおかしいという声は上がりませんでした。
それにひきかえ、障がいの側では障害者自立支援法が制定されて利用制限がかかるといわれた際には障がい者自身が先頭に立って国会を取り囲む行動に出たこともありましたし、先日の戦争法案では直接の被害を受けるわけではなくても国の根幹を揺るがすことだと思えばあれほどのデモが何度も繰り返されるわけですから、介護には当事者の主体的な行動がないこと、そして国民的課題と受けとめられていないことの証明であると思っています。

介護のことでは、日本創生会議が介護移住などというバカげた提言をまとめてこれも話題になっていますが、これから介護を受けることになる団塊の世代であり集団就職の金の卵だった皆さん、戦後民主主義の代表として自らが築いてきた場所で最後まで住み続けられる介護を保障しろ!と立ち上がるべき時は今しかありません。
業界でいくら動いても変わらないものを変えるために、今はアウトローである私も外から動きます。

2015.10.19

福祉の浦島太郎にならないために

県職員時代からお世話になっている山内修さんからFacebookでの招待をいただいて、「障がい児・者差別解消推進セミナー」に参加しました。
内容としては、来年4月から施行となる障がい者差別解消法について知るとともに、この機会に障がい児・者の置かれている現状を語り合うというもので、会場の青森市社会福祉協議会が管理している「しあわせプラザ」に入るのも何年ぶりかで、旧知の福祉関係者や支援というより交流してきた障がい者の姿もあり、こういう方々とこういう場所で活動していた時代が懐かしくなりました。

法の内容と問題点についてはこれまた旧知の沼田徹弁護士から、法制定の経緯と意義、登場人物としての障害者・行政・民間事業者の区分、不当な差別的取り扱いと合理的配慮の不提供という二つの差別を禁止する内容、最後に差別の具体的な定義がないこと、罰則規定がないこと、支援地域協議会を設置することが求められているものの権限があいまい、意思の表明の支援という課題について詳しく説明がありました。
続いて、自閉症児の親、知的障がい者、身体障がい者それぞれの立場からの報告と、それに応える形で青森市障害者支援課長も発言して、最後はフロアを巻きこんでの熱いやりとりが展開して、現実社会で暮らす中でどのような苦労を背負わされているか、どんなことを行政に改善していってもらいたいか、非常に伝わる内容となりました。
その中で協議会にからんでは、近年は社会保障にかかわる法が制定されるたびに協議会設置がセットになっているそうで、高齢者や障がい者の虐待防止法ばかりでなく、私が梁山泊!を通じて支援したいと考えてきた孤立無業=SNEPを対象とする生活困窮者自立支援法でも同様だそうで、支援課長からは役割や顔ぶれが重複していることが多いので総合的な協議会の部会という立ち上げ方もあるという話題もありましたが、介護や年金といった目につきやすい制度以外でも大きく動いているものがあり、それがまだまだ現実に対応できていないことも知ることになりました。
その例として、意見交換でのテーマの一つとなったものにタクシーチケットでの障がい者割引があり、青森市では48枚のチケットが支給されるものの、手帳の提示以外に氏名電話を伝えることを求める会社や運転手がいるという対応のまちまちさや個人情報保護の観点からの問題をそれぞれの立場から論じていましたが、弘前市では今年度までは24枚の支給で来年度からは介護保険などでの乗降介助・ケア輸送を使えばよいと廃止されることになっているようですし、彼我の問題レベルの違いを情けなく思いながら聞いていました。

タクシーチケットの件は議員再起の際には取り上げなければならないことだと思っていたものの、今の身の上ではあたる権限もないと捨て置いてしまっていたのですが、福祉の浦島太郎にならないためにもかけ合ってみようと思います。
そもそも、議員だったら動かせる、一市民ではどうにもならないでは、皆さんおかしいと思いませんか?

2015.08.22

社会福祉法人への最後っ屁

社会福祉法人・花の評議員会があり、5期10年最後の出席となりました。

思えば、20年前に当時経営していた特養の主任看護師が花の母体である藤代健生病院の出身だった縁で、彼女の同僚だった「さくら荘」の成田さんから入所者をシーツ交換の実習をさせてほしいという依頼があり、そこから私と精神障がいとのかかわりがはじまりました。
最初の実習では、ワゴン車に乗ってきた皆さんも受け入れる私たちもどうしていいかわからず、玄関をはさんで立ちつくしてしまったのを思い出しますが、3年も続くと皆さんも元気に「こんにちは!」と入ってくるようになり、グループ分けや作業も手早く、終わってからは一緒にお茶を飲むほどなじんでくれました。
こちらから何をしたわけではありませんが、普通に受け入れるだけでいいのだということを教えていただく形になり、それが藤代に入退院を繰り返していた村内の方をデイサービスで受け入れるのに役立ち、利用してからパッタリと入院しなくなったのを当時の院長・蟻塚亮二先生が驚いて、病院の研修や花への参画、果てには認知症をテーマにした        映画「折り梅」上映会という置き土産を置いて沖縄に去るまで、ご縁をいただくことになりました。
その後も当時の榊理事長・上田事務局長にはよくしていただき、長慶会騒動の際に辞任を申し出た際も、間違ったことをしているのでないからと引き留めてくださって今に至っていますし、高齢者とは違う精神障がいの制度の複雑さ、運営の大変さを知ることになって、本当に勉強にもなりましたので、ご恩返しになればと会議では当然のことながら積極的に意見質問してきました。
それが、理事長が交代し後ろ盾となる福祉界の大立者が参画してから、決めたことを追認してもらえば十分だという雰囲気が強くなり、私のような存在は煙たいようで再任の意向も確認されることもなく御役御免となりました。この二人には別の立場の際にはお世話になってきただけに、「麒麟も老いては駑馬にも劣る」を見せられた思いですし、今日の最後も上田さん・成田さんはお別れの握手をしてくれましたが、その二人からは何もなかったのが現実を物語っている気がします。
とにもかくにも、これで社会福祉法人からいただいている役職はなくなりましたので、この機会に社会福祉法人という存在や福祉・介護業界のあり方に一言述べておこうと思います。

一つは、これほどブラックボックス化した法人形態はないということです。
ロッテや大塚家具でお家騒動が世間を賑わしましたが、それでも最終的には株主総会に結論は委ねられますし、同じ非営利組織であるNPOでも平会員にも議決権がある総会が開かれるのですが、社福の場合は数人の理事会と場合によっては評議員会が意思決定の場であり、現場で働く職員の意見を反映させる仕組みはありません。
その理事会・評議員会にしても、理事長が人選して就任してもらうのがほとんどですので、意に反することが決まることがないという部分では、地方自治体以上に専制体制です。
それでも、それも福祉事業にかかわるのは篤志家といわれた時代なら認めざるを得ないことだったのでしょうが、今では福祉もビジネス化し民間企業が参入する時代になっているのに、前時代的な形態ばかりか税の免除といった優遇まで続いているのは、明らかに間違ったことだと思います。
それが、民間参入した側に税を納めるだけ運営が大変だという屁理屈を許してしまって業界全体がブラック化する遠因にもなっているだけに、介護職員の処遇改善や人材確保を図るのであれば、課税を含めたイコールフィッティングは避けて通るわけにはいかないことだと思います。
ひるがえって、国は社会保障費抑制の名目で事業者には生かさぬよう殺さぬようにあたってくるのは変わらないでしょうが、高齢化が進んで介護にかかる負担は増す一方であるのに、国民から制度が持続できるように後押しをしてもらったことがないほど、実際は必要と思われていないのも一方の事実です。
戦争法案や脱原発では国会の周りでデモが繰り返されますが、介護や障がいの問題はそれよりは重大ではないかも知れませんが身近な生活の場面で誰もが向き合う可能性のあることであるのに、国民的議論になったことすらなく、異業種から参入してきた有料老人ホームでも預かってもらえればそれでけっこうとばかり、現代の姥捨て山状況は進んでいくばかりです。
法人や事業者それぞれがしっかりと経営していく以前に、国民的コンセンサスを得て、よりよいケアを納得できる負担で国民が受け入れる方向での改革からはじめなければならないというところに、この問題の難しさがあります。

それでも、こうした前時代的でブラックな環境から脱却して、ケアの理念を掲げて社会から必要とされるように運営されるのが理想だと思いますし、私はこれからも外側から福祉の世界がよりよい方向に進むように力を尽くしたいと思っています。

2015.07.16

付け焼き刃の認知症サポーター養成講座

弘前市町会連合会の町会長研修に参加しました。
私が参加する主たる目的は、研修後の情報交換会で他地区の町会長さんから町会運営の工夫をうかがうことではあるのですが、この3年間は防災安全課による大震災への対応・葛西市長自ら講演したアクションプラン・佐藤三三先生による自治基本条例と内容を伴った研修だったので勉強にもなったのですが、今回は介護福祉課による認知症サポーター養成講座でした。

サポーター養成にあたるキャラバンメイトでもある課員による認知症の説明と、家族の会からご主人の介護体験を語ってくださる会員の二人による1時間半でしたが、体験談はともかくとしてテキストに沿っての説明を黙って聞くだけでサポーターとして認定されてしまう仕組みにも納得いきませんが、会場から認知症を引き起こす原因という難しくもない医学的な質問が出たのに対して、メイトでもあり担当課の職員でもあるにもかかわらず回答できなかったのはいかがなものかと思いました。
この仕組みそのものは国からのもので、県内自治体の中ではサポーター登録数が低いレベルにある弘前市としては、どんな形でも上乗せしたいということで65歳以上が圧倒的な町会長のお歴々でも何でもいいからということなのでしょうが、やるのであれば実際の生活場面で役立つようなサポーター養成を行ってほしいと思いますし、とりわけ担当課にはしっかり勉強してほしいと思います。
ちなみに、養成講座受講者にはオレンジ色のゴムのブレスレットが進呈されるのですが、全国でこんな無意味な講座とムダなプレゼントに出費されているかと思うと、新国立競技場ばかりでなく見直すべきことが山積しているのを痛感します。

それ以上に、町会という立場からすれば、市が介護保険外の建物である有料老人ホームの建築、これとセットになった在宅サービスの認可を野放しにしているせいで、知らぬ間に見慣れた顔がいなくなり、一方では得体の知れない会社が運営して町会には加入どころかあいさつにも来ないような「有料」が増え続けていることこそ、問題です。
認知症になったり介護が必要になれば次々と開設される「有料」に入れてしまえばいいんだという姥捨て山発想がはびこってしまっているのが弘前市の現状ですし、養成講座を実のあるものにするつもりがあるのであれば、市がまず取り組まなくてはならないのは「有料」と付随するサービスを制限することです。
2年半後には、今年度引き上げを見送った分までのしかかる介護保険料の大幅アップが見こまれるだけに、増額につながる最大の要因である「有料」を増やさせないのが最優先の課題だと思っていますし、町会自治にとっても問題であるだけに、担当課長が来ていれば質問をぶつけるところだったのですが、認知症についても回答できない主査のお嬢さんを困らせても無益ですので、矛を収めておきました。

議会で追及する権利はありませんが、おかしいと思うことは皆さんに知ってもらうよう、この場から発信していくつもりです。

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