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2015.10.20

介護の漂泊者(アウトロー)からのエール

先日は障がい者差別というテーマから福祉の世界に戻ってみましたが、今回は盛岡市に本拠を持ち最近弘前市にも進出してきた福祉用具貸与などを業態とするサンメディカル社主催の研修会に参加し、今回の改正から2年半後の次期改正を見すえた介護保険制度について、久々に最前線の情報にふれてみました。
講演は、シルバー産業新聞の橋川記者による厚生労働省の内側に食いこんだ最新の情勢、そして元弘大医学部保健学科准教授で現在は埼玉県春日部市・介護環境研究所代表兼株式会社バリオンの金沢善智代表取締役による医療・介護連携と認知症への効果的なアプローチでしたが、今は社長でも私にとっては介護保険法施行以前の相馬村住宅改修制度立ち上げからはじまって現日本介護支援専門員協会会長である木村隆次さんと3人で医療保健福祉の垣根を越えた勉強会を主催した仲である金沢先生に再会できたのは、何よりうれしいことでした。
また、会場にも旧知の介護支援専門員や同じ職場で苦労してくれた顔もあり、この世界こそ自らのホームグラウンドであるのを改めて感じました。

お二人の講演の内容はこちらのメモから参照していただくとして、要点としては今回の改正でも十分打撃であるのに2年半後の改正では要介護2以下は市町村による地域支援事業、軽度者の福祉用具などは全額自己負担、さらに安倍総理の無知蒙昧な介護離職ゼロ方針で特養建設が進めば地域包括ケアとの矛盾が生じるといった、お先真っ暗の話題ばかりでした。
これに対して、サンメディカルの責任者の方からは、ここに参加している皆さんで力を合わせて声を上げていきましょうというまとめがありましたが、介護保険制度の方針を決める社会保障審議会分科会には木村さんをはじめとして職能・施設団体からの代表も加わっているにもかかわらず制度は複雑怪奇で生活無視の方向へ進む一方ですし、自民党よりは山井和則さんをはじめとして福祉介護の専門家が多い民主党政権時代でもよくなることがなかったのを見れば、霞ヶ関主導の岩盤の最たるものだけに、そんな簡単なことで変わるとは思いません。

それは、介護がいまだに国民的問題と映っていないからだと思います。
65歳以上で介護保険の対象となっているのは約20%であり、残り8割は医療のお世話にはなっていても介護には縁がなかったり、心臓発作や脳出血で急死というのが現状でして、これからしてもまだまだ介護が国民全体にかかわることだと受けとめられないのは理解していただけると思います。
私にしても、5年現場から離れて後期高齢者となった親と絶縁している立場からすれば、まったく介護を身近に考える必要もありませんでしたし、多くの皆さんも必要になったときにはじめてどこに相談すればいいのか悩むのが普通の流れですから、いずれ自分もかかわる問題だと思われていないのは間違いありません。
それでも、介護が必要になった場合はしっかりとしたサービスが整っているのが望ましいことですし、それが成り立つ財源や制度が構築されるべきですが、これまで5回の改正においても改悪と言いたくなるようなことが重ねられても、国民からおかしいという声は上がりませんでした。
それにひきかえ、障がいの側では障害者自立支援法が制定されて利用制限がかかるといわれた際には障がい者自身が先頭に立って国会を取り囲む行動に出たこともありましたし、先日の戦争法案では直接の被害を受けるわけではなくても国の根幹を揺るがすことだと思えばあれほどのデモが何度も繰り返されるわけですから、介護には当事者の主体的な行動がないこと、そして国民的課題と受けとめられていないことの証明であると思っています。

介護のことでは、日本創生会議が介護移住などというバカげた提言をまとめてこれも話題になっていますが、これから介護を受けることになる団塊の世代であり集団就職の金の卵だった皆さん、戦後民主主義の代表として自らが築いてきた場所で最後まで住み続けられる介護を保障しろ!と立ち上がるべき時は今しかありません。
業界でいくら動いても変わらないものを変えるために、今はアウトローである私も外から動きます。

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