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2015.08.22

社会福祉法人への最後っ屁

社会福祉法人・花の評議員会があり、5期10年最後の出席となりました。

思えば、20年前に当時経営していた特養の主任看護師が花の母体である藤代健生病院の出身だった縁で、彼女の同僚だった「さくら荘」の成田さんから入所者をシーツ交換の実習をさせてほしいという依頼があり、そこから私と精神障がいとのかかわりがはじまりました。
最初の実習では、ワゴン車に乗ってきた皆さんも受け入れる私たちもどうしていいかわからず、玄関をはさんで立ちつくしてしまったのを思い出しますが、3年も続くと皆さんも元気に「こんにちは!」と入ってくるようになり、グループ分けや作業も手早く、終わってからは一緒にお茶を飲むほどなじんでくれました。
こちらから何をしたわけではありませんが、普通に受け入れるだけでいいのだということを教えていただく形になり、それが藤代に入退院を繰り返していた村内の方をデイサービスで受け入れるのに役立ち、利用してからパッタリと入院しなくなったのを当時の院長・蟻塚亮二先生が驚いて、病院の研修や花への参画、果てには認知症をテーマにした        映画「折り梅」上映会という置き土産を置いて沖縄に去るまで、ご縁をいただくことになりました。
その後も当時の榊理事長・上田事務局長にはよくしていただき、長慶会騒動の際に辞任を申し出た際も、間違ったことをしているのでないからと引き留めてくださって今に至っていますし、高齢者とは違う精神障がいの制度の複雑さ、運営の大変さを知ることになって、本当に勉強にもなりましたので、ご恩返しになればと会議では当然のことながら積極的に意見質問してきました。
それが、理事長が交代し後ろ盾となる福祉界の大立者が参画してから、決めたことを追認してもらえば十分だという雰囲気が強くなり、私のような存在は煙たいようで再任の意向も確認されることもなく御役御免となりました。この二人には別の立場の際にはお世話になってきただけに、「麒麟も老いては駑馬にも劣る」を見せられた思いですし、今日の最後も上田さん・成田さんはお別れの握手をしてくれましたが、その二人からは何もなかったのが現実を物語っている気がします。
とにもかくにも、これで社会福祉法人からいただいている役職はなくなりましたので、この機会に社会福祉法人という存在や福祉・介護業界のあり方に一言述べておこうと思います。

一つは、これほどブラックボックス化した法人形態はないということです。
ロッテや大塚家具でお家騒動が世間を賑わしましたが、それでも最終的には株主総会に結論は委ねられますし、同じ非営利組織であるNPOでも平会員にも議決権がある総会が開かれるのですが、社福の場合は数人の理事会と場合によっては評議員会が意思決定の場であり、現場で働く職員の意見を反映させる仕組みはありません。
その理事会・評議員会にしても、理事長が人選して就任してもらうのがほとんどですので、意に反することが決まることがないという部分では、地方自治体以上に専制体制です。
それでも、それも福祉事業にかかわるのは篤志家といわれた時代なら認めざるを得ないことだったのでしょうが、今では福祉もビジネス化し民間企業が参入する時代になっているのに、前時代的な形態ばかりか税の免除といった優遇まで続いているのは、明らかに間違ったことだと思います。
それが、民間参入した側に税を納めるだけ運営が大変だという屁理屈を許してしまって業界全体がブラック化する遠因にもなっているだけに、介護職員の処遇改善や人材確保を図るのであれば、課税を含めたイコールフィッティングは避けて通るわけにはいかないことだと思います。
ひるがえって、国は社会保障費抑制の名目で事業者には生かさぬよう殺さぬようにあたってくるのは変わらないでしょうが、高齢化が進んで介護にかかる負担は増す一方であるのに、国民から制度が持続できるように後押しをしてもらったことがないほど、実際は必要と思われていないのも一方の事実です。
戦争法案や脱原発では国会の周りでデモが繰り返されますが、介護や障がいの問題はそれよりは重大ではないかも知れませんが身近な生活の場面で誰もが向き合う可能性のあることであるのに、国民的議論になったことすらなく、異業種から参入してきた有料老人ホームでも預かってもらえればそれでけっこうとばかり、現代の姥捨て山状況は進んでいくばかりです。
法人や事業者それぞれがしっかりと経営していく以前に、国民的コンセンサスを得て、よりよいケアを納得できる負担で国民が受け入れる方向での改革からはじめなければならないというところに、この問題の難しさがあります。

それでも、こうした前時代的でブラックな環境から脱却して、ケアの理念を掲げて社会から必要とされるように運営されるのが理想だと思いますし、私はこれからも外側から福祉の世界がよりよい方向に進むように力を尽くしたいと思っています。

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