議員である前に、言論人として質問
第1回目となる「ヒロダイいきいき元気塾」という公開講座が開催され、『誰が日本の医療を殺すのか』の著書や精力的な講演活動などで知られる本田宏医師の講演があり、少々遅れて参加しました。
講演の内容は、最近問題となっている医療崩壊について、厚生労働省のデータを鵜呑みにしてはいけない、世界的に見れば日本の医療の質は最低である、OECDの平均医師数に追いつくには今のペースでは40年かかってしまう、世界では60歳を過ぎればリタイアするのが普通であるのに日本では60歳以上の医師が4万人含まれているといった、あまり知られていない厳しい事実を、それをオブラートに包むつもりかブラックに聞かせるためか、過剰なまでのジョークをちりばめて語ってくださいました。
私としても、公共事業や防衛よりも社会保障が大事だという国家観や、医師不足の中で地域医療が崩壊の危機にあるのは理解共感できることだけに、黙って聞いておこうと思ったのですが、正しい情報がなければ正しい判断ができないという本田先生のお言葉に甘えて、一人あたりの医療費が最低で世界最長寿を実現しているのはなぜか、介護は計画で統制を受けているのに、医師には勤務医から開業する自由が認められているのはおかしいという質問を、市議という身分を明かしてぶつけました。
それに対し、医療スタッフが他国の倍も仕事をして最長寿を実現したのは過剰適応だった、今では開業しても立ちゆかなくなっていて医師は進むも地獄戻るも地獄だと答えてくださいましたが、しからば最長寿ということ自体を守っていかなければならないのか、医師は地獄であっても選ぶ権利があるのに介護にはないといった反論や、米国との病床数比較の際にナーシングホームも加えるのであれば、日本でも特養・老健を合算しないとおかしいといった、ある部分での数字のトリックまでやりとりする時間がなかったのが残念です。
このあたりは、本田先生とやりとりできれば止揚するポイントが見つかることだと思いますが、聴衆の中にはせっかくのいい話に水を差すとは何ごとかと思われた方もあったでしょうし、あの議員は物わかりが悪いのではないかと受けとめた方もあったろうと思います。
本田先生は、キング牧師の「世界最大の悲劇は、善意の人の沈黙と無関心だ」という言葉を引いて講演を終えましたが、圧倒的な情報量と話術の前に洗脳状態になって自分で考えずに信じこんでしまうのではいけないという思いで挙手してしまったのは議員としてはマイナスに働いても、言葉を戦わせる立場としては引いてはいけない場面だと思っています。
おいおいふれる機会もあると思いますが、社会全体が温暖化防止に染まれば染まるほどその危うさを感じてしまいますし、何ごとも自分で調べ考え、思ったことは忌憚なく発言する姿勢を貫いていこうと思っています。
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